先日、UbuntuのLive USBメモリを作った際に、GRUBブートローダーがインストールされました。
おかげで、Windows 10とUbuntuのデュアルブートになっていました。
インストールしたPCは、UEFIでディスクはGPTパーティションでしたが、そのGRUBブートローダーの削除方法が結構ややこしかったです。
また、レガシーBIOSでMBRパーティションの場合は、手順が異なるようでした。
なお、今回のバージョンは以下の通りです。
- Windows 10 Pro(64bit)
- Ubuntu Desktop 日本語 Remix 18.04.2 LTS
レガシーBIOS(MBR)・UEFI(GPT)の確認
PCのBIOSモードがレガシーBIOSかUEFIかは、システム情報で確認できます。
システム情報は、Cortanaやファイル名を指定して実行で「msinfo32」と入力して実行すれば開きます。
BIOSモードの項目を確認します。
また、ディスクのパーティションがMBRかGPTかは、ディスクの管理で確認できます。
ディスクの管理で、該当のディスクを選択して右クリック ⇒ プロパティを開き、ボリュームのタブを開きます。
パーティションのスタイルの項目を確認します。
UEFIでのGRUBブートローダーの削除
このPCはUEFIだったので、UEFIのGRUBブートローダーの削除方法から始めます。
bcdeditコマンドでエントリの削除
まずは、コマンドプロンプトを管理者として実行します。
bcdeditコマンド(ブート構成データストアエディター)でエントリを一覧表示し、Ubuntuのエントリを見つけます。
そのIDを指定して、エントリの削除を行います。
> bcdedit /enum firmware … ファームウェア アプリケーション (101fffff -------------------------------- identifier {796b9349-67f5-11e7-b3d0-3c52822efe03} device partition=\Device\HarddiskVolume1 path \EFI\ubuntu\shimx64.efi description ubuntu … > bcdedit /delete {796b9349-67f5-11e7-b3d0-3c52822efe03} この操作を正しく終了しました。
もう一度同じコマンドで一覧表示すると、削除されていることが分かると思います。
- bcdeditコマンドのオプション
- /enum … ストアのエントリを一覧表示する。
- /delete … ストアからエントリを削除する。
EFIシステムパーティションからUbuntuディレクトリの削除
続いて、EFIシステムパーティションのUbuntuのディレクトリを削除します。
diskpartコマンドでEFIシステムパーティションを探し、ドライブレターを割り当てます。
なお、EFIシステムパーティションはFATベースのフォーマットとなっています。
> diskpart DISKPART> list disk ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT ### ミック ------------ ------------- ------- ------- --- --- ディスク 0 オンライン 238 GB 7168 KB * DISKPART> sel disk 0 ディスク 0 が選択されました。 DISKPART> list vol Volume ### Ltr Label Fs Type Size Status Info ---------- --- ----------- ---- ---------- ------- --------- -------- Volume 0 C Windows NTFS Partition 232 GB 正常 ブート Volume 1 NTFS Partition 1815 MB 正常 Volume 2 NTFS Partition 1738 MB 正常 Volume 3 E HP_TOOLS FAT32 Partition 2048 MB 正常 Volume 4 SYSTEM FAT32 Partition 360 MB 正常 システム DISKPART> sel vol 4 ボリューム 4 が選択されました。 DISKPART> assign letter=Z: DiskPart はドライブ文字またはマウント ポイントを正常に割り当てました。 DISKPART> exit DiskPart を終了しています...
このPCでは、Disk 0のVolume 4がEFIシステムパーティションでした。
Zドライブを割り当てたので、Zドライブに移動してEFIディレクトリのUbuntuディレクトリを削除します。
> Z: > dir ドライブ Z のボリューム ラベルは SYSTEM です ボリューム シリアル番号は D833-95E9 です Z:\ のディレクトリ 2017/07/13 10:02 0 SYSTEM 2019/08/24 19:40 <DIR> EFI 2019/08/19 10:31 <DIR> boot-repair 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen001.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen002.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen003.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen004.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen005.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen006.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen007.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen008.bmp 2018/02/21 19:29 2,359,350 screen009.bmp 10 個のファイル 21,234,150 バイト 2 個のディレクトリ 255,840,256 バイトの空き領域 > cd EFI > dir ドライブ Z のボリューム ラベルは SYSTEM です ボリューム シリアル番号は D833-95E9 です Z:\EFI のディレクトリ 2017/07/13 10:02 <DIR> . 2017/07/13 10:02 <DIR> .. 2017/07/13 10:02 <DIR> Microsoft 2019/08/19 11:12 <DIR> Boot 2019/08/18 03:46 <DIR> ubuntu 2019/08/24 19:40 <DIR> HP 0 個のファイル 0 バイト 6 個のディレクトリ 255,840,256 バイトの空き領域 > rmdir /s ubuntu ubuntu、よろしいですか (Y/N)? y
- rmdirコマンドのオプション
- /s … ファイルやサブディレクトリも含めて削除する。
これで、UEFIでのGRUBブートローダーの削除は完了です。
レガシーBIOSでのGRUBブートローダーの削除
次に、レガシーBIOSでのGRUBブートローダーの削除方法です。
こちらは検証できるPCがないので、調べた情報のみとなります。
システム修復ディスクの作成
まずは、システム修復ディスクを準備します。
手元にない場合は、コントロールパネル ⇒ バックアップと復元 (Windows 7) ⇒ システム修復ディスクの作成で作ります。
bootrecコマンドでブートセクタ修復
続いて、システム修復ディスクを使ってブートし、コマンドプロンプトを起動します。
bootrecコマンドでブートセクタを修復します。
> bootrec /fixboot 操作は正常に終了しました。 > bootrec /fixmbr 操作は正常に終了しました。 > exit
- bootrecコマンドのオプション
- /FixBoot … システムパーティションに新しいブートセクターを書き込む。
- /FixMbr … システムパーティションのマスターブートレコードを書き込む。
Ubuntuのパーティション削除
GRUBブートローダーを削除できたら、Ubuntuのパーティションを削除しておきます。
ディスクの管理で、該当のパーティションを選択して右クリック ⇒ ボリュームの削除を実施していきます。
今回は、Ubuntu Live USBメモリだったので全てのパーティションを削除するだけで完了としました。
最後に
今回は、UEFI・レガシーBIOSのUbuntu GRUBブートローダーの削除方法を紹介しました。
Ubuntu Live USBメモリを削除する場合、Windows 10とUbuntuのデュアルブートをやめたい場合は、この手順で削除できます。
GRUBブートローダーの修復方法については、こちらの記事を参考にしてください。
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